昔から評価の高い「ever17」を生み出した中澤工さんが監督を務めるアドベンチャーゲームです。
ファンの間でも最高傑作と名高い本作について、ネタバレ無しで紹介していきたいと思います。
この記事はまだプレイしたことのない方向けの紹介記事です。
すでにプレイしたことのある方は、感想記事を書いているので、そちらを読んでもらえると嬉しいです!
あらすじ
本作には2つのルートがあり、プレイ開始時にどちらのルートをプレイするかを選びます。
√Aストーリー
2030年9月16日、午前6時19分…鹿鳴市(ろくめいし)が運営する原子力生物学研究機構第6研究所…通称「ラボ」において、原因不明の爆発が発生した。
事故の通報を受けた鹿鳴市消防局の特別高度救助隊「SIRIUS(シリウス)」の隊長「笠鷺渡瀬」は、部下の橘風見や守部洵らを引き連れて、ラボの内部に救助活動へと向かう。
しかし救助活動の最中、突如「ケースN」が発動。隔壁が全て閉じられてしまい、渡瀬たちはラボの内部に閉じ込められてしまう。
そして渡瀬に突如襲い掛かる謎の男。その男が妖艶な笑みを浮かべた瞬間、渡瀬の頭に凄まじい激痛が走る。
「まさかお前も…頭の中を!?」…気が付いた時には渡瀬は、これまでの全ての記憶を失ってしまっていた。
隔壁が開放されるまで残り9時間、それまでに刻一刻と迫る火災と煙、そして放射線による死の恐怖…果たして渡瀬たちはラボに残された要救助者を全員救出し、無事にラボから脱出することが出来るのだろうか。
√Bストーリー
2030年9月16日、午前6時19分…鹿鳴市立鹿鳴学園1年B組に所属する高校生「天川夏彦」は、ある目的のために幼馴染の鳥羽ましろ、同級生の三ノ宮・ルイーズ・優衣と共に原子力生物学研究機構第6研究所…通称「ラボ」に訪れていた。
だがそこへ突然原因不明の爆発が発生し、夏彦たちはラボの内部へと閉じ込められてしまう。
「まさか奴らが動き出したのか!? 僕たちは間に合わなかったのか!?」…夏彦たちは絶望しながらも迫り来る爆発や炎から逃れ、必死にラボからの脱出を試みようとする。
だがそんな最中、夏彦の幼馴染にして同居人である琴乃悠里と出会う。訳あって家から出られないはずの彼女がこの場にいることに戸惑いながらも、彼女も合流し、皆で脱出を試みる。
しかしそんな最中、突如悠里が夏彦に意味深なことを話し出す。次の瞬間夏彦の意識は、事故が起きる前の2030年9月10日へと飛ばされてしまったのだった…。
二人の主人公、二つのストーリー
事故発生後のストーリーを語るAルートと、事故発生前までのストーリーを語るBルートの二つのルートがあります。
Aルートでは、事故発生後、なんらかの原因によって記憶喪失となったレスキュー隊長・笠鷺渡瀬が仲間たちと協力しながら脱出を試みる様子が描かれます。
対してBルートでは、何故か事故現場にいた高校生の天川夏彦とその友人たちがこの事故に巻き込まれるまでの数日間が描かれます。
この2つのストーリーが間接的に関わり合いながら、プレイヤーが抱える謎を解決していきます。
斬新な選択肢システム
このゲームの特徴の一つがシナリオ分岐のシステム。単純な選択肢によるシナリオ分岐ではありません。
それがセンシズシンパシーシステム、通称SSSという分岐システムです。
これは、重要な選択を迫られる場面になると、特定の人物に対してどれほど同意できるか、好意的に見るかを数値で設定できるシステム。
数値は0~8の9段階あり、設定した数値の度合いによって先の展開が決まります。
ノベルゲームでよく見る通常の選択肢システムだと、主人公がどのようなセリフを返すか、どのような行動をとるか、というのが言葉で書かれているため、そこから先の展開がある程度予想できてしまいますよね。
そういった通常の選択肢と比べると、このSSSというシステムは先の展開がわかりづらく、プレイヤーの自由度が高いところが良い点であると感じました。
張り巡らされる伏線の数々
このゲームのストーリーは様々なジャンルを内包していますが、大きなところで言えばやっぱりミステリーです。
物語を読み進めていく中で多くの謎が出てきます。むしろ最初から謎だらけです。
その謎が一つ一つ丁寧に解かれていくさまに、いつの間にか引き込まれてプレイし続けてしまう…そんな魅力がありました。
大ボリューム!プレイ時間は長め
このゲーム、全体的にボリュームが凄くて、クリアするまでにかなりの時間がかかります。
ボリュームかあるのは良いことなのですが、人によっては少し根気がいるかもしれません。
とはいっても、話に乗ってくれば先が気になってどんどん進めてしまいます。こういうところはさすがといった感じ。
僕のプレイ時間は30〜40時間ほどでした。おそらく普通にプレイしてもこれぐらいはかかります。
じっくりと読み進めていくスタイルの方はもっとかかるでしょう。
片手間ではなくがっつりと時間をとってプレイしたい作品
ノベルゲームってプレイしやすいんですよね。
映画を見たり、本を読んだりするような感覚なので、なんとなく進められます。
ですが本作はなんと言ってもシナリオが長いので、少しずつ進めているとかなりの時間がかかると思います。
こういうストーリー重視のゲームって、前回のプレイから間があくと少し熱が冷めてしまうんですよね。
可能であればなるべく一気にやっていただきたいものです。
特に最後の方は、間を開けずにエンディングまで駆け抜けていってほしい。
時間に余裕のある時期に是非プレイしてみてください!
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