【レビュー】『Wild Mender』砂漠に緑を取り戻すサバイバルクラフト

ゲーム
Pocket
LINEで送る

昔、ドラクエビルダーズ2をプレイした時、その面白さに驚愕したことを今でも覚えています。
ハマった要素を挙げるとキリがないのですが、そのうちの一つに「風景を作れる」というのがあります。

殺風景な島に滝を作ったり、荒れ果てた大地を耕して大樹を育てたり。
いわば世界の再生。あのゲームのテーマの一つだったと思います。

それ以降、「荒廃した世界に彩りを与えていく」系のゲームを探し続けているのですが、意外とそういうゲームってないんですよね。

今までプレイした中だと、「TerraNil」とか「The PlanetCrafter」は結構イメージに近くて良かったですが、なかなかピンとくるものがない。

そんな私が発売前からちょっと気になっていたゲーム。
それが「Wild Mender」です。

ストーリーをクリアしたので、レビューを書いていきます。

推せる点

ゲームをプレイして、ここは推せる!と感じたポイント。

アニメ調のグラフィックが可愛くて綺麗

この手のクラフト系ゲームって、結構グラフィックがチープなこともあるんですが、このゲームはそんなことなかったですね。

3Dモデルはリアル路線ではなくてアニメ調の可愛い感じなのですが、これがゲームの雰囲気に合っていてちょうど良い。

この世界観は、リアルな質感だったら逆に成り立たないだろうな、と感じました。

また、光の使い方と空気感が良かったです。
こういうの詳しくはないんですけど、例えば明け方の、空気に光が反射してる感じとか、そういうのがとても綺麗でした。
特に夜は暗い中で所々植物が発光していて、ファンタジーな世界観に相応しい幻想的な雰囲気。

荒れ地が森になっていくのは見ていて楽しい

荒廃した砂漠に緑を増やしていくというゲームデザインはまさに私が求めていたもの。
視界が賑やかになっていくのは見ているだけで楽しいです。

ただ、見た目の変化による驚きは少なめだった印象。
というのも、緑が育つまでには結構な時間がかかるので、眼が徐々に慣れていくんですよね。
なので、「急に緑が広がった!」みたいな驚きは少なかったです。
リアルと言えばリアル。

また、砂漠には草木一本もない…というわけではなく、枯れているものの草も木も生えています。
しかもなぜか枯れ木は夕方~夜になると白く発行する葉をつけるので、むしろ幻想的だったりする。

中盤以降は木を育てられるため視覚的な変化も大きいですが、序盤は景色があまり変わらない。
個人的にはモチベーションの持続がちょっと難しかったです。

The Planet Crafterでは、ひたすら砂嵐が吹き荒れる不毛の地から始まり、水源が生まれ、だんだんと緑豊かになっていくという流れでしたが、あちらに比べると感動は薄かった気がします。

理想の風景を作れる

「理想の風景を作りたい」と思っていた私にとっては、自由度高く地形を弄れるのは嬉しかったです。
かといって、山や谷を作れるわけではなく、あくまで地面の凹凸を弄れる程度というのもまた良い。

ここはなだらかな丘にしてみようとか、水源から川を引いてこようとか、自分の好きなエリアを創造できるのは本当に楽しい。
ここは木をたくさん生やして森エリアにしようとか。

植物は当然水がないと育たないのですが、フィールドにはところどころに水が沸く泉があって、これが水源になります。

ただこの泉、最初は水が出ていなかったり、汚染されていたりで使えません。
探索を進めてスキルを習得すると、素材を使って綺麗な水源として使うことができます。
少しずつ世界が広がっていく感じはやはりワクワクしました。

気になった点

ゲームをプレイして、ここはイマイチ…と感じたポイント。

戦闘が面白くない

なんといってもこれ。
このゲームは植物の栽培と並行して探索をしていくのですが、探索中に出てくる敵との戦闘があまり面白くない。

というのも、アクションに爽快感がない。
例えば敵の攻撃の当たり判定がわかりづらかったり、エフェクトと音のずれがあったりと、アクションゲームとしての不具合が多いです。

戦闘はあくまでおまけ、という印象。
それでいて、定期的にプレイヤーへの侵略イベントが発生するので、戦闘が強いられるのがつらい。

このゲームの最大の特徴は「プレイヤーの手で荒廃した土地を再生すること」だと思うので、そっちの要素を広げてくれた方が私はハマったと思います。

ストーリー進行の手段も、敵を倒すのではなく、もっと栽培に絡めた方が良かったのでは…と思ってしまいました。
育てる条件(環境など)を難しくして、そこにゲーム性を持たせるとか。

現状、栽培した木や花の素材を使う機会がほとんどないので、草木を育てる恩恵が薄いのも残念。

まとめ

細かい不満点はあるものの、トータルではとても楽しめた作品。

ただ、今のところ緑化すること自体にゲーム性はほとんどないです。
なので、「サバイバルゲーム」というより「ガーデニングシミュレーター」として楽しんだ方が良いかも。

せっかくマルチプレイ対応なので、一人で黙々とやるよりフレンドとわいわいしゃべりながらやる方が楽しそうです。

コメント