【レビュー】『サクラ大戦』には形容し難い面白さがある

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あの曲で有名なサクラ大戦。
プレイしたのはPSPの『サクラ大戦1&2』(ダウンロード版)。

久々にPSPを引っ張り出してきたらネットワーク接続設定やら本体更新やらがあって、ダウンロードまでずいぶん時間がかかりました…。

ひとまず1をクリアしたのでその感想と、僕の思うサクラ大戦像、そして新サクラ大戦に対して感じる印象について、まとめます。

サクラ大戦の魅力

世界観、シナリオ、音楽、キャラクター、声優、アニメーション。
そのどれをとっても非常に質の高い作品でした。

設定、世界観による魅力

舞台は太正時代(※)。
銀座・帝国大劇場で華やかな舞台を演じる「帝国歌劇団」。
しかしその実態は、霊力によって稼働する蒸気機関「霊子甲冑」に乗り、迫りくる悪の組織と戦うために結成された「帝国華撃団」なのです。

※時代設定は「太正」という架空のものですが、その名の通り大正時代がモデルとなっています。

この設定を見ただけでわかると思います。

もういろんな設定を盛り込んだごった煮の世界観だ、と。

ですが、これが悪くない。

設定だけ見ると「こんなB級映画みたいな設定で上手くまとまるのか…?」という印象なのですが、実際にプレイしてみると不思議や不思議。
この一見バラバラの設定が互いをつぶすことなく噛み合っていて、他にはない独特の世界を創り出しているんです。

キャラクターも、メインヒロインの真宮寺さくら神崎すみれこそ、いかにも大正乙女然としたイメージで描かれているものの、その他はバリエーション豊かな面々がそろっています。

フランスの天才少女アイリスや中国メカニック美女の紅蘭、ロシアの男装麗人マリア、琉球空手の使い手カンナと、全くと言っていいほど枠に縛られない設定であり、サクラ大戦の良い意味でのごった煮感にマッチしています。

ゲームとしての魅力

このゲームは、ヒロインたちと交流して親密度を高めることのできるアドベンチャーパートと、シミュレーション形式で敵と戦う戦闘パートを交互に進めていく作りになっています。

この二つのパートがそれぞれ違った面白さを持っています。

アドベンチャーパートはただ読み進めていくだけではなく、時間制の選択肢やミニゲームなど、しっかりゲーム要素があるのが特徴。
そのため、終始マンネリ化せずに楽しみながら進めることができます。

戦闘パートも程よい難易度です。
味方キャラが敵にやられてしまってもクリアできれば良い、と割り切ればそれほど難しくないのですが、ポイントは「やられてしまったヒロインは好感度が下がってしまう」というところ。

ストーリーを進めるにつれてプレイヤーの気持ちは「何としてもみんなを生き残らせたい」という方向にベクトルが向いていきます。

すると、セルフ縛りプレイにより難易度が上がるわけです。
特にラスボス戦は犠牲無しでクリアするのはかなり難しかったです。

TVアニメをイメージさせる演出と音楽

この作品をサクラ大戦たらしめていると特に思うのは、TVアニメ調の演出音楽です。
これが本当に素晴らしい。

サクラ大戦は作品を通してアニメーションを意識した作りになっています。
オープニングテーマとともに物語は始まり、各話のタイトルが入ります。
「第一話『帝都・花の華撃団』」といった感じで。

また、話の区切りごとにアイキャッチが挟まり、これがセーブポイントとなっています。

そして話が終われば次回予告
キャラクターのセリフ、アニメーションとともに次の話のあらすじが流れます。

シミュレーションゲームをやっているというよりも、ほとんどアニメを見ている感覚でした

そして音楽。
田中公平さんによるオープニング曲「檄!帝国華撃団」はあまりにも有名ですよね。

その他にもたくさんの名曲があり、ストーリーを盛り上げてくれます。
田中公平さんの作る音楽については語りたいことがたくさんありすぎるので、それはまた別の機会に。

そして忘れてはいけないのがシナリオの広井さんによる作詞。これもまた素晴らしいです。
エンディングテーマ「花咲く乙女」の歌詞を聞いたときには涙しました…。

熱い想い この身を焦がし
たとえ明日命尽きても
歌い 踊り 舞台に駆けて
君にとどけ 今宵高鳴るその名

これ。
人々に夢を与える役者なんですね、みんな。

新サクラ大戦に思うこと

こんなことを言うのもおこがましいんですけど、第一印象で一つだけ言わせてください。

なんか違うんですよ。

プレイしていないのでストーリーについては語れないですけど。
オープニングテーマ。これについては多少言っても良いのではなかろうか。

曲はほんとに素敵なんです。
イントロは聞きなれたあのゲキテイのまま、歌メロが現代風になってるんですよね。熱いよ。

最初はメロディが違うことに違和感もありましたが、聞いてるうちにどんどん好きになるんすよ。

もう一度いいますが、曲はほんとに素晴らしい。
ただね、歌がなんか違うんですよ。

出演されてる声優さんたちは普通に好きだし、歌も上手い。
だけど「歌劇団」要素が見えなくないですか…?

うまく表現できないですが、新サクラ大戦は歌劇団じゃなくてアイドルなんですよ。
それがなにか違うと感じる所以なのかなぁ。

根強いファンにも納得の名作

新サクラ大戦について苦言を呈したものの、サクラ大戦は良いものでした。

上手く形容できないけど胸の奥底からじんわり広がる「良さ」がある。そんな作品でした。
ガルパンおじさんが「ガルパンはいいぞ」しか言えないのと一緒。

今後、過去作のリメイクとか出てほしいですね。

未プレイ勢はリメイクしてくれないとプレイすらできないですから…。
ドリキャス買うかな…。

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