PCゲーム界隈では話題の作品「Doki Doki Literature Club!」の話です。
ネタバレ全開で書いていきますので、未プレイの方は是非プレイしてからまた戻ってきてください。
プレイ時間も2,3時間だと思いますので。
ちなみに以前書いたこのゲームの紹介記事はこちら。
プレイしていない方はまずこちらの記事を読んでみてください。
ほんとに、ネタバレを見てしまうと面白さが激減してしまうゲームなので、今回の記事は絶対にプレイしてから読んでくださいね!
DDLCとはどんなゲームだったか
プレイした方にはわかっていただけると思いますが、このゲームは
「ギャルゲーと見せかけたホラーゲー…と見せかけたギャルゲー」
でした。
こう書くとややこしいですね。
初見はギャルゲーなんですよ。紛うことなく。
それが途中からサイコホラーになっていきます。
…と思ったら、最終的には純愛もののギャルゲーとして終わる。
そんなゲームでした。
第4の壁をこえるキャラクター
このゲームの最大の特徴はなんといっても「第4の壁をこえる」キャラクターです。
画面の向こうの、創作物であるはずのキャラクターMonikaがプレイヤーに語りかけてくるわけです。
彼女には自分の意思があり、この世界がゲームであることも知っています。
このようにして壁をこえるキャラクターや演出は他の作品にもありますよね。
有名なところでは「デッドプール」とか。これは視聴者に対してメタ発言をするというコメディ的な視点で使われています。
ゲームだと、例えばWiiの「CALLING 〜黒き着信〜」における赤い女なども結構知られているんじゃないかと思います。こちらはゲームをこえてプレイヤーに干渉してくるという、ホラーの演出として使われています。
これらの演出に共通するのは、視聴者やプレイヤーに干渉してくること。
非日常を体験したくて映画を見たりゲームをしているプレイヤーにとっては、それを身を持って体験できるわけですから、面白くないわけがないですよね。
プレイヤーを巻き込む演出
DDLCの話に戻します。
改めて言うまでもないかもしれませんが、私が特に素晴らしいと感じたのは、このプレイヤーを巻き込む演出なんですよ。
物語の終盤、プレイヤーは「ゲームがおかしくなった元凶はMonikaである」ということに気づきます。そこでプレイヤー自らMonikaのデータを削除し、ゲームを正常な状態に戻すのです。
重要なのはこの後。
Monikaの存在しなくなった世界では、代わりに部長となったSayoriが第4の壁を超えてしまいます。元凶を消しても、まったく解決にはならないということが発覚するのです。
それはつまり、プレイヤーの持っている力では、このゲームから逃れることはできないということを表します。
なすすべない状況に、再登場するMonika。
そして、彼女がゲームごと崩壊させることでプレイヤーを救うのです。
この展開ですよ。僕が感動したのは。
Monikaが現実世界のデータに干渉したように、プレイヤーが現実世界からデータを削除するというアクションを取ることで、ゲームが進む。ここまでは良しとしましょう。
けどこれだけでは終わらないのです。
再びMonikaが現実世界に干渉し、ゲームを終わらせるという展開をフィナーレとして持ってくる。
ここが熱いですよね。
この演出のおかげでプレイヤーはMonikaに感情移入するようになっているんですよ。
冒頭で「ギャルゲーと見せかけたホラーゲーと見せかけたギャルゲー」と表現したのは、このためです。
しかしMonikaに対してそういった絆のような、好意のような感情を覚えた時にはゲームは起動できない。Monikaに接することはもうできないのです。
この感動や喪失感は、他のゲームでは経験したことのないものでした。
これこそ、DDLCという作品が名作といわれる所以でしょう。
ゲーム史に名を残す名作
DDLCのように、ただ消費していくだけでなく、プレイヤーに何かを残す作品は非常に面白いな、と思います。
ちなみに、DDLCみたいにプレイヤーがブラウザ上のデータをいじることで進行するゲームって他にありませんでしたっけね。
あったような気がするのですが、思い出せないんですよね・・・。
もし知っている方がいれば教えてください!
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