【レビュー】『BLUE PROTOCOL』 圧倒的なビジュアルと薄味のゲーム性

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8年かけて開発したバンナム渾身の力作。

ビジュアルの美しさに加え、ストーリーのわくわく感や広がっていく世界への期待感から、夢中でプレイしました。最初の数時間は。

プレイすればするほど、プレイ開始当初の感動を超えるものがないことに気付きます。
初めてから数時間程度が、このゲームのピークだったのかもしれない。
そう思い始めたので、ここらで一つ、今の自分の考えをまとめておこうと思います。

この記事の執筆時点での私のプレイ時間はおそらく15時間程度。
レベルは16で、クラスはスペルキャスターです。
(ツインストライカーで始めたのですが、近接のごちゃごちゃ感がイマイチな気がして、途中で変えました)

プレイしていて気になった点

プレイしていて、「これ、もうちょっとなんとかしてくれればなぁ」という点が無数にありました。
細かいところを挙げるとキリがない気がするので、特に大きな点をピックアップして書いていきます。

累計にならないクエスト達成条件

<7/11追記>
これについては、2023年7月のアップデートで改善されるとのことです。(ブルプロ通信#9より)

まず気になったのは、クエストの仕様。
このゲームのクエストには、NPCから受注する一般的な「クエスト」と、「アドベンチャーボード」と呼ばれる、クエストをパッケージングしたようなものがあります。

問題は、クエストの達成条件が累積で計算されない点です。
クエストの達成条件には「特定のモンスターを20匹倒す」みたいなのがあるんですが、対象のクエストを解放してからでないと、倒した数がカウントされません。
加えて、このゲームには同じモンスターを倒すクエストが複数あります。

するとどのようなことが起きるかというと、
例えば「モンスターAを20匹倒す」というクエストを達成した後に、「モンスターAを30匹倒す」という別のクエストを解放した場合、まったく同じ作業をもう一度繰り返さないといけないのです。
しかも下手をすると、さらに別のクエストで同じ条件があったりして、何度も何度も同じ作業を繰り返さないといけない場面もありました。

賽の河原で積んだ石を崩されるような、激しい徒労感。
開発陣はそこに楽しさがあると思っているのか…。

コンテンツが少ない中で長く楽しんでもらうための工夫なのかもしれませんが、この仕組みに気付くと途端にやる気が削がれます。
「クエストをなるべくたくさん解放してからやらないと損」という思考になるので、攻略のテンポが失われ、作業感が増します。

それでいて、同時に進行できるクエスト数は8つという上限があります。
なので、「同じような条件のクエストを集めてクリアしたいから、すでに受注したクエストを一度破棄する」といったこともあります。

おつかいが多すぎる

このゲームに限った話でもないのですが、特に気になったので挙げておきます。
このゲームのクエストは、以下のような流れが多いです。

  1. NPCからクエストを受注する
  2. 別のNPCに話す
  3. クエストを受注したNPCのところに戻る
  4. 特定のモンスターを10匹倒す
  5. クエストを受注したNPCのところに戻る
  6. クエスト達成

見てわかる通り、途中のNPCに話す工程がとても面倒。2,3の工程はゲーム的な意味がありません。
2点の間を行って帰ってくるだけの単純な作業を繰り返しているとき、私には「面倒」以外の感情はありませんでした。

これはおそらくストーリーや世界観を売りにしていることに関係していて、確かに話としては、NPC間を行ったり来たりすることに筋は通っています。
ですが、そこにゲームとしての楽しさはありません。

ただでさえオンラインRPGは繰り返しが多くなるのですから、あからさまな単純作業は減らしてほしかったと個人的には思いました。

極論、ゲームって「プレイヤーに気付かれずに単純作業をさせる」ものなんじゃないかと思う今日この頃。

レアアイテムドロップがない

ディアブロのようなハクスラ系RPGでは、モンスターを倒すと確率で装備がドロップします。
ドロップする装備の強さやスキルはランダムで、だからこそ「強いアイテムを落とすかも」という期待感が生まれ、単純なMOB討伐にも楽しさが生まれます。
モンスターを倒すたびに「強くなれるかもしれないガチャ」を回しているような感じです。

一方ブルプロには、そういったレアアイテムドロップはありません。
モンスターを倒しても決まった素材を落とすだけなので、その素材が必要な時以外に倒す意味がありません。
※厳密にいうとレアアイテムドロップはあるのですが、素材集めが短縮できる程度のメリットしかありません。

なので、モンスターを倒すメリットがほとんどなく、「道中の戦闘は避けた方が良い」ことになってしまっています。
結果として、移動だけに費やす時間が長くなり、虚無が増えます。

キャラクタービルドの選択肢が少なすぎる

上述したアイテムドロップの話にも通ずるのですが、装備を変えるタイミングと種類が少なすぎます。

ゲームにおいては「強い装備を作ってキャラクターを強化する」ことが目的の一つだと思うのですが、このゲームでは現状レベル10、25、35辺りでそれぞれ一回ずつ装備を変えるだけの作りです。
加えて、レベル10の適正装備は1種類、レベル25、35の適正装備は2種類ずつしかなく、装備の選択肢が非常に少ないです。

必然、すべてのプレイヤーが全く同じルートで強くなっていくことになり、体験に幅がありません。
調べたところ、レベル40からは武器が4種類あり、少し選択肢は広がるようですが、それまで武器の強化はほとんど一本道なのはとても寂しいです。

もう一つ、RPGにおけるキャラクタービルドと言えば、スキルやアビリティの選択も醍醐味だと思うのですが、このゲームではその選択肢も少ないです。

他のゲームでは、装備の属性やアビリティに合わせて、自分の使うスキルを変えたりして、最適解を探す楽しみがあります。
しかし、このゲームにはそもそも装備の種類が少ないので、装備に合わせてスキルを変えることがありません。

私はスペルキャスターしかプレイしていないので、スペルキャスター視点での話になるのですが、スキルの種類もあまり多くはないです。
また、「どのスキルもやりようによっては使える」みたいな、組み合わせを楽しめる感じでもないです。
スペルキャスターの場合、ブリザードという氷の攻撃スキルでメイン攻撃を担い、補助スキルなどを積む、というビルド以外ほとんど見たことがないです。

良かった点

散々悪いところばっか書きましたが、もちろん良かったところもあります。
数時間はハマってプレイしていたわけですから。

グラフィック

圧倒的にこれ。これがこのゲームの良さのほとんどすべてです。
基本無料オンラインゲームにおけるアニメ調グラフィックとしては頂点に君臨するクオリティ。
さすがバンナム。

キャラクターのモーションや表情差分も豊富で見ごたえがあり、ビジュアル的な飽きは感じませんでした。

4Gamerのインタビューでは「自分がカスタマイズした主人公を,劇場版アニメのなかに入り込ませて冒険ができるオンラインアクションRPG」という表現をしていましたが、まさに劇場版アニメのようなビジュアルで、視覚的には大満足です。

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チャレンジクエスト

このゲームでは、オンライン上の他プレイヤーと一緒に遊べる場面がいくつかあるのですが、その中でも「チャレンジクエスト」と呼ばれるイベントが意外と面白かった印象です。

特定の条件が達成されると、フィールド上に強いボスモンスターが登場し、その時に同じフィールド内にいるプレイヤーが集まって倒す、という突発的なレイドイベントなのですが、これが思ったよりもオンラインRPGっぽくて楽しい。

そう思った理由はおそらく2つあって、一つは報酬が良いこと。
チャレンジクエストでボスを倒すと、「B-イマジン」と呼ばれる、いわゆる召喚獣の素材とレシピが手に入ります。
B-イマジンは作成時に抽選でランダムなアビリティが付くので、強いアビリティを求めるプレイヤーは何度も同じイマジンを作成する必要があります。チャレンジクエストを何度もクリアして素材を持っていると、その回数分作り直しができるわけです。
なので、通りすがりにチャレンジクエストが発生していれば、「ちょっと寄っていくか…」と思えるだけのメリットがあります。

もう一つは、「偶然居合わせたプレイヤー達が集結して戦う」というMMO感。
オンラインゲームの醍醐味の一つは、素性も知らない他のプレイヤー達と一緒に遊べることにあると思うのですが、実際、チャレンジクエストは「みんなで一緒に戦っている」という昂揚感がありました。

総評的なもの

ストーリーやビジュアル面での演出は非常に良いですが、それらにリソースが割かれすぎていて、ゲームとしての楽しさが薄くなっている、という印象です。
コンテンツ量はあるものの、一つ一つの要素が持つゲーム性が浅く、繰り返し楽しめるほどではないです。
結果として、かなり早い段階で単純作業になり、飽きが来てしまった、というのが個人的な感想です。
「これ以上時間をかけても、見える景色に変化がなさそう」という感じ。

とはいえ、まだリリースしたばかり。
これから細かい部分の改善や、ゲーム性の充実などをしていけば、きっと覇権を握れるはず。
今のうちにプレイして、ある程度進めておくのも良いかもしれません。
来るべき神ゲー化の時を願って。

BLUE PROTOCOL
オンラインアクションRPG「BLUE PROTOCOL」のLPサイトです。

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