「MOTHER3」考察 前作との違い、プレイヤーへのメッセージ

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不朽の名作「MOTHER」シリーズの第3弾。
これ以降MOTHERシリーズは発売されていないため、これがシリーズ最後の作品となります。

このMOTHER3、プレイしてみると「MOTHER1、2とは何か違うな」と感じます。
もちろんMOTHERらしさはあって、「あぁ、続編なんだな」とは思うんですけど。
でもやっぱり何か今までと違うんです。

この記事では僕の感じた「MOTHER1、2との違い」を軸に、「MOTHER3」というゲームを考察していきます。

ネタバレありです!
未プレイの方はクリアした後に読んでいただけると嬉しいです。

子どもだけの物語じゃない

「MOTHER」そして「MOTHER2」は、どちらも「普通の少年がひょんなことから事件に巻き込まれ、同世代の仲間たちと協力しながら冒険していく…」というお話でした。

スタンドバイミーのような「日常の延長としての子供たちの冒険」であり、だからこそ当時ゲームをプレイした子供たちは自分のことのように熱狂し、感動したのです。

ところが「MOTHER3」のシナリオはこの流れから少し外れています。

まず主人公が子供たちだけではないのです。

「MOTHER3」では物語が全8章に区切られて語られ、章ごとに主人公が異なります。
3章までは主人公ではない人物を操作することとなるのですが、その面々が異質。

第1章でプレイヤーが操作するのは、失踪した妻と子供たちを捜索する主人公のお父さん
第2章では、実は泥棒の家計だった近所のおじさん
第3章では、悪い商人に連れられた罪なきお猿さん

彼らを操作することで物語を進めていきます。
「あれ、子どもたちは?」ってなりますよね。
僕もまさかおっさんとお猿さんを操作して冒険の旅に出るとは思いませんでした。

3章までは各章にあまり強いつながりはなく、それぞれのキャラクターがそれぞれの物語を進めていく、いわば一話完結のストーリーです。
要するにここまではプロローグ的な扱いなんですね。

そして第4章からやっと主人公である少年を操作して進んでいくわけです。

が、「子どもたちの冒険はここからか!」と思ったのも束の間。
少年の仲間のうちの一人は、第2章で活躍した近所のおじさんです。
それと以前の章で登場したお姫様、そして飼い犬。

こんな構成のパーティ。

スタンドバイミーのような少年時代の冒険とはちょっと違う、というのがわかると思います。

家族の物語

これまでのシリーズとはどうやら少し違うみたいだぞ、というのはわかりました。
ではこのゲームではどんなテーマを掲げているのでしょうか。

僕の考える「MOTHER3」のテーマは「家族」

序盤では、妻と子供を捜索するお父さん
中盤では、絶望する主人公を優しく支えるお母さん
終盤では、敵に操られていたとの決戦。

物語は主人公の家族を中心として描かれていて、要所でそれぞれが重要な役割を果たしています。

今までのMOTHERシリーズでは、家族はあくまで主人公を陰ながら支える存在でした。
ホームシックを解消したり、お金を管理してくれたり。

本作では、その家族たちがどのような気持ちで子供たちを支えているかが深く描かれていたように思います。
言い換えれば、どれだけ子供たちのことを想っているかということ。

リュカとクラウスの戦いを止めようとしていたお父さんとお母さん。
あのシーンがその最たるものです。こみ上げてくるものがありました。

ラストバトルの直前

ゲーム体験がプレイヤー自身に還元される

もう一つ、MOTHERシリーズのお約束といえば、プレイヤーへの呼びかけです。

「MOTHER2」のラスボス戦でプレイヤー自身の力を合わせて倒す演出には胸が熱くなりましたし、エンディングのスタッフロールに自分の名前が表示される演出には驚きました。

ではこの「MOTHER3」はどのようにしてプレイヤーを巻き込んだか。
これもまた今までとは少し違います。

ラスボスである兄を倒すまでは、プレイヤーが前面に出ることはありません。
「MOTHER2」のように一緒に戦うわけでもなければ、プレイヤーへの呼びかけすらありません。

「MOTHER3」でプレイヤーへのアプローチがあるのは、エンディングです。

ラスボス戦の後、開放したドラゴンの力で世界は救われ、エンディングを迎えます。

真っ暗な画面の中を手探りで進んでいくと、これまで出会った仲間たちがなんとプレイヤー自身に語りかけてくるのです。

その内容は、プレイヤーへの感謝
そして「そっちの世界もお願いね」という言葉。

この言葉を聞いた瞬間に、MOTHER3というゲームは現実世界とリンクするんです。

「MOTHER3の世界を救ってくれてありがとう。
 現実世界でも同じように進んでいってね。
 MOTHER3の世界を救ったあなたなら絶対に大丈夫。」

僕はそんな希望に満ちたメッセージだと感じました。
これまで「MOTHER3」で冒険してきた経験が、今度はプレイヤー自身の世界へと還元されるのです。

「MOTHER3」をプレイして僕が一番感動したのはこの場面でした

ゲームで得た成功体験を、現実に返す。
他のゲームにはない素敵な演出です。

これまでとは違う角度からMOTHERらしさを表現した名作

「MOTHER3」は、「MOTHERらしさ」はそのままに、それを今までとは別の視点で表現したゲームでした。

MOTHERシリーズはこれが最後となりましたが、これからも名作として語り続けられるでしょう。

大人になった今だからこそ、伝わる感動もあります。

子供の頃にプレイした方もぜひもう一度プレイしてみてください。
まだ違う景色を見せてくれるはずです。

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